【なろう4コマ感想】一億年ボタンを連打した俺は、気付いたら最強になっていた~落第剣士の学院無双~ ☆★★★★ 1/5点
【タイトル】
一億年ボタンを連打した俺は、気付いたら最強になっていた~落第剣士の学院無双~
【あらすじ】
【評価】
☆★★★★ 1/5点
【感想】
はっきり言おう。つまらない!
久々に「小説家になろう」で、週間、月間、四半期のランキングで同時1位になった作品。
ごくわずかな期間で、一気にランキングを駆け上った、昇り龍。
それがどうしてこうなった。
まず、この作品は週間SPA!で連載されていたマンガ『みんなのトニオちゃん』の、オマージュだ。ネットでは「5億年ボタン」として、とても有名な作品。
動画も載せておこう。
元ネタはすばらしい作品で、5億年ボタンを押す派、押さない派で意見が割れ、ネットでいまだに激論が繰り広げられている。
そんな作品をオマージュ?したこの「一億年ボタンを連打した俺は、気付いたら最強になっていた」(以下「1億年ボタン」に略)という作品。
元ネタへの愛が足りない
1億年ボタンには、最終的に「十数億年を過ごした」という記述がある。
ちなみに、1億年ボタンは5億年ボタンと違って、ループの記憶が引き継がれるため、主人公は十数億年の記憶をそのまま維持していることになる。
まず、この十数億年という数値が、元ネタに比べてあまりにも軽い。
地球でいえば、10億年前といえば、恐竜どころか、多細胞生物がようやく地球上に出現したと言われている時代だ。
そこから現在まで、ずっと生きている人間がいるとしたら。
元ネタの5億年ボタンは、そこをすごくうまく表現している。
たとえば、5億年ボタンを押した後の世界を現実と思うようになる。
これは当然だ。だって、現実の世界の10年ちょいの時間は、人生全体の数千万分の1でしかない。億年に比べて、10年とは刹那ともいえる時間である。
それに比べて、一億年ボタンはどうだろう。
十数億年の記憶を持ちながら、現実に戻った直後の主人公の言葉を引用しよう。
もしかするとあれは夢だったのかもしれない。
いや、きっと夢だったに違いない。
常識的に考えて一億年ボタンなんてあるわけがない。
いや、10億年を生きた人間がこの感想っておかしいでしょう。逆だろうよ逆!!
しかも、恐ろしいのが、10億年以上を生きていながら性格が変わってないのだ。
ただの気弱な少年のままである。
現実の世界に戻ったら、10億年の記憶はあるけど、性格だけリセットされるとか、都合のいい設定があるのだろうか。
いや、元の世界に戻る前も、ただのキレてる、ごく普通の思考の人間でしかない。
ちなみに、元ネタの5億年ボタンのほうは、性格が変わるどころか、人類には理解できない、宇宙の理を理解した神にも近い境地に突入している。
元ネタは、5億年という時間での人間の変化を、恐ろしくもリアルに描けていて、作者も5億年という時間を想像し、考えに考えたはずだ。
それが、1億年ボタンのほうはどうだろう。
一番大事な「数億年を経験した人間がどうなるか」を都合よく無視して、ただ強くなりましたと。
ボタンを押したら異空間飛んで、ループしてしまうって部分だけ、俺TUEEE系に都合がよさそうだから使って、後はなろうテンプレに乗っけましたと。
これはダメでしょう。
これがそこらへんの素人が試しに書いてみましたって作品ならいいと思う。
ただこの作者は違う。過去に書籍化もしてる、いわばプロの小説家だ。
これはいけませんよ。
ストーリーも100回は見た展開
「1億年修行しました」というところ以外は、なろうで何度も何度も見た、おなじみの展開だ。気弱だけどやさしい青年が、いじめっこを完膚なきまでに叩き潰し、剣術大会的なので世界の強者にもラクラク勝ってしまう。
あれ?もしかして俺って強い?という展開。
「あいつは一体なにものなんだ?」「ふっ、変わったやつだなお前は」
みたいな展開が延々と続く。
ちなみに、最後まで読むのは耐え難かったので、大会までしか読んでない。
登場人物も、テンプレ of テンプレ。深みもなければ、真新しさもない。
バイトがマニュアル通りに作った、吉野家の牛丼のような小説だ。
と、だいぶ厳しい評価をしてしまったが、
正直、この作品がただの埋もれた作品であったならば、ここまで酷評はしなかったと思う。
ただ、この作品が「小説家になろう」のランキングを独占しているというのが、あまりにも不可解であり、しかも感想・レビュー・作者へのコメント、すべてを不可に設定しているところから、「この作品がランキングっておかしくねえか?」という感情が爆発して、書いてしまった。
ちょっと反省してる。